肩関節脱臼の治療、リハビリ|山田整形外科医院|埼玉県ふじみ野市の整形外科

〒356-0004 埼玉県ふじみ野市上福岡5-1-23
上福岡駅 徒歩3
専用駐車場有

トピックス TOPICS

肩関節脱臼の治療、リハビリ

肩関節脱臼の治療とリハビリについて詳しく説明します。肩関節脱臼は、肩関節が本来の位置からずれてしまう状態で、痛みや運動制限を伴います。特に若年者やスポーツを行う人に多く見られます。

肩関節脱臼の概要

原因

•外傷性脱臼:転倒やスポーツ中の衝突など、強い外力が加わることで発生。

•反復性脱臼:過去に脱臼を経験している場合、関節が不安定になり繰り返し脱臼する。

•自然発生的脱臼:関節の緩みや筋力低下が原因で、日常動作中に発生することも。

症状

•肩の変形:肩が平らに見える。

•激しい痛み:動かすことが困難。

•可動域制限:腕を動かせなくなる。

•しびれや感覚異常:神経が圧迫された場合。

肩関節脱臼の治療

治療は、脱臼の種類や程度、患者の年齢や活動レベルによって異なります。

1. 整復

脱臼した関節を元の位置に戻す手技です。

•医師が手動で整復を行うことが一般的で、鎮痛剤や筋弛緩剤を使用する場合があります。

•重症例では全身麻酔下で整復を行うこともあります。

2. 固定

整復後、再脱臼を防ぐために肩関節を固定します。

•スリングや三角巾を使用して数週間固定。

•固定期間は、年齢や脱臼の再発リスクにより異なります。

3. 手術療法

以下の場合には手術が必要となることがあります。

•関節の靭帯や軟骨(肩関節唇)の損傷が重度の場合。

•反復性脱臼がある場合。

•若年者やスポーツ選手で再発リスクが高い場合

肩関節脱臼のリハビリ

リハビリは、再発予防と肩の機能回復に重要な役割を果たします。

1. 初期段階(固定期間中)

•安静:痛みを和らげ、炎症を抑えるために肩を休ませます。

•軽い可動域運動:医師の指示のもとで、指や手首、肘の軽い運動を開始します。これにより血流を促進し、硬直を防ぎます。

2. 可動域改善期(固定解除後)

•ストレッチ:関節の可動域を広げるために、腕を上げたり横に伸ばしたりする運動を行います。

•肩甲骨周囲の運動:肩甲骨を動かすことで肩の安定性を向上させます。

3. 筋力強化期

•インナーマッスルの強化:肩の安定性を高めるために、肩回りの小さな筋肉(ローテーターカフ)を鍛えます。

•チューブを用いた外旋・内旋運動。

•軽いダンベルを使った筋トレ。

•全身運動:肩だけでなく、体幹や下半身の筋力を強化してバランスを改善します。

4. スポーツ復帰期

•スポーツ選手の場合、競技特有の動作を含むトレーニングを行い、再脱臼を防ぎます。

•医師や理学療法士と相談し、段階的に運動強度を上げていきます。

注意点と再発予防

•再発率:特に若年者では高く、適切な治療とリハビリが重要です。

•姿勢の改善:日常の姿勢を意識し、肩への負担を軽減します。

•運動の適切な管理:無理な動作や負荷を避け、筋力と柔軟性を保つことが再発予防につながります。

治療期間の目安

•初回の脱臼で保存療法の場合、約3~6ヶ月で完全回復が期待できます。

•手術を受けた場合、復帰には6ヶ月以上かかることもあります。

まとめ

肩関節脱臼は適切な治療とリハビリを行うことで、多くの場合、完全な回復が可能です。特に若い人やスポーツ選手では再発リスクが高いため、インナーマッスルの強化や日常生活での注意が欠かせません。症状が改善しない場合や再発が多い場合は、専門医に相談して最適な治療法を選ぶことをお勧めします。