上腕骨骨頸部骨折と骨粗鬆症|山田整形外科医院|埼玉県ふじみ野市の整形外科

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上腕骨骨頸部骨折と骨粗鬆症

上腕骨骨頸部骨折は、上腕骨の骨頭と骨幹部をつなぐ部位で発生する骨折です。この部分は肩関節を構成する重要な骨の一部であり、肩の可動性を維持するために重要な役割を担っています。上腕骨骨頸部骨折は、特に高齢者に多く見られる疾患であり、その原因としては転倒や外的な衝撃が挙げられます。特に骨粗鬆症を患っている人々では骨が脆くなり、骨折が発生しやすくなります。

骨粗鬆症の影響

骨粗鬆症は、骨の密度が減少し、骨がもろくなる疾患です。この疾患は、特に閉経後の女性に多く見られますが、男性にも発症することがあります。骨粗鬆症が進行すると、骨の強度が低下し、軽度の衝撃でも骨折を引き起こす可能性が高くなります。上腕骨骨頸部骨折も、骨粗鬆症による骨の弱化が原因で発生することが多く、特に高齢者や骨密度が低い人々においては、日常的な転倒でも骨折が生じるリスクが増大します。

上腕骨骨頸部骨折の症状

上腕骨骨頸部骨折の症状は、主に肩の痛みや動かしづらさです。骨折した部位は肩の可動域を制限し、腕を上げることができなくなる場合があります。また、骨折が重度である場合、肩関節の変形や腫れが見られることもあります。外見上の変形はあまり見られない場合もありますが、痛みの程度が強く、動かす際に激しい不快感を感じることが一般的です。

診断と治療

上腕骨骨頸部骨折の診断は、主にX線検査を使用して行います。X線検査によって骨折の有無や骨折の位置、そして骨のずれ具合を確認します。場合によってはCTスキャンやMRIが必要となることもあります。

治療法は、骨折の程度や患者の健康状態により異なります。軽度の骨折の場合、保存的治療としてギプスやスリングを使って肩を固定し、骨が癒合するのを待ちます。しかし、骨折が重度であったり、骨のずれが大きい場合には手術が必要になることがあります。手術では、骨を元の位置に戻すための整復を行い、金属製のプレートやピンで固定します。この手術により、骨の安定を図り、骨の癒合を促進します。

リハビリテーション

上腕骨骨頸部骨折後は、早期にリハビリテーションを開始することが重要です。手術後は、最初の数週間は肩を固定し、骨が癒合するのを待つ必要がありますが、その後は肩の筋肉を強化するための運動療法が行われます。リハビリテーションの目的は、可動域の回復、筋力の維持・強化、そして日常生活への早期復帰を促進することです。

予防策と骨粗鬆症の管理

骨粗鬆症の予防と管理は、上腕骨骨頸部骨折のリスクを減らすために非常に重要です。骨粗鬆症の管理には、適切な栄養摂取、特にカルシウムとビタミンDの補給、骨密度を改善するための運動、そして医師の指導のもとで骨密度を保つための薬物治療が含まれます。骨粗鬆症の予防には、喫煙を避け、アルコールの摂取を控えることも効果的です。また、転倒を防ぐためには、家庭内の安全対策やバランスを保つ運動が推奨されます。

上腕骨骨頸部骨折と骨粗鬆症は、特に高齢者にとって深刻な健康問題となりますが、適切な治療と予防策を講じることで、骨折のリスクを減少させ、より健康的な生活を送ることが可能です。