四十肩(肩関節周囲炎)の治療は、症状の進行状況や痛みの程度によって異なります。以下は一般的な治療方法と対処法です。
1. 痛みの軽減
- 薬物療法
痛みを抑えるために、鎮痛薬(アセトアミノフェンやNSAIDsなど)が処方されることがあります。
肩の炎症が強い場合は、局所ステロイド注射を行うこともあります。
- アイシング・温熱療法
急性期(痛みが強い時期):アイスパックで患部を冷やすと痛みが和らぐことがあります。
慢性期(痛みが落ち着いてきた時期):温めることで血行を促進し、肩の動きを改善します。
2. 運動療法
四十肩の治療の中心は、肩の可動域を少しずつ広げるリハビリやストレッチです。専門の理学療法士による指導を受けるのが理想的ですが、自宅でできる運動もあります。
自宅でできる簡単な運動:
- 振り子運動
腕をダラリと下げ、軽く揺らすようにして肩を動かします。負担が少なく、初期のリハビリに適しています。
- タオルストレッチ
タオルを両手で持ち、後ろに回して軽く引っ張る。肩の柔軟性を改善します。
- 壁を使った運動
壁に向かって指を這わせるようにしながら腕を上げていきます。痛みの出ない範囲で行うことが重要です。
3. 物理療法
超音波治療や低周波治療など、病院や整骨院で受けられる治療法で痛みを軽減し、回復を促進します。
4. 日常生活の注意点
- 重いものを持たない、無理に肩を動かさない。
- 姿勢を良くし、肩や背中の負担を軽減する。
5. 手術(まれな場合)
通常は保存療法(上記の方法)で改善しますが、数ヶ月以上改善が見られない場合や肩の組織が損傷している場合は、関節鏡視下手術などが検討されることもあります。
いつ医師に相談すべきか
- 強い痛みが続く場合。
- 夜間痛(横になっても痛む)がひどい場合。
- 自分で動かせる範囲が極端に制限されている場合。
四十肩は自然に治ることが多いですが、適切な治療を行うことで、痛みや可動域の回復が早くなることがあります。無理をせず、医師や理学療法士に相談しながら進めてください。