腰椎椎間板ヘルニアの保存治療について
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板が突出して神経を圧迫し、腰痛や下肢痛、しびれを引き起こす疾患です。保存治療は、多くの患者様において症状を改善する効果があり、手術を回避できる場合も少なくありません。以下に、保存治療の詳細を説明します。
1. 安静と生活指導
保存治療の第一歩は、急性期の痛みを和らげるための適度な安静です。ただし、過度な安静は筋力低下や血行不良を招くため、痛みが軽減したら可能な範囲で活動を再開することが重要です。
また、生活指導として以下を推奨します:
•長時間の座位や前屈姿勢を避ける
•重い物を持ち上げる際は膝を曲げ、腰に過度な負担をかけない
•姿勢を改善し、腰椎にかかる負担を軽減
2. 薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、以下の薬剤を使用します:
•非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
炎症を抑え、痛みを軽減します。胃腸障害がある場合は、胃を保護する薬と併用することが一般的です。
•筋弛緩薬
筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減します。
•神経痛治療薬
神経由来の痛みが強い場合、プレガバリンやガバペンチンなどが使用されます。
•ビタミン剤
神経機能をサポートするため、ビタミンB12などが処方されることがあります。
3. 物理療法
物理療法は、症状の緩和と回復促進に有効です。
•温熱療法
血行を改善し、筋肉の緊張をほぐす効果があります。
•電気療法
低周波や干渉波を使用し、神経の興奮を抑え、痛みを軽減します。
•牽引療法
腰椎を引っ張ることで神経への圧迫を軽減し、椎間板の負担を減らします。
4. リハビリテーション
運動療法は、腰椎椎間板ヘルニアの治療と再発予防において重要な役割を果たします。理学療法士の指導のもと、次のような運動を行います:
•コアマッスルの強化
腹筋や背筋を鍛え、腰椎を支える筋肉を強化します。
•ストレッチ
腰や下肢の柔軟性を高めることで、神経への負担を軽減します。
•姿勢改善運動
骨盤や腰椎の正しい位置を保つためのエクササイズを行います。
5. 神経ブロック療法
保存療法の一環として、神経ブロック療法を行うことがあります。椎間板ヘルニアによって圧迫されている神経の周辺に局所麻酔薬やステロイドを注射することで、痛みを一時的に和らげ、リハビリテーションへの移行をスムーズにします。
6. 生活習慣の改善
腰椎椎間板ヘルニアの治療には、生活習慣の見直しが不可欠です。
•体重管理
肥満は腰椎への負担を増加させるため、適正体重の維持が重要です。
•正しい姿勢の習慣化
椅子に座るときや立つときに正しい姿勢を意識することで、腰椎への負担を軽減できます。
•運動習慣の確立
ウォーキングや軽いストレッチを日常生活に取り入れ、血行を促進します。
保存治療への取り組み
当院では、保存療法を重視し、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立案しています。最新の物理療法機器と専門スタッフによる指導で、安全かつ効果的な治療を提供します。また、リハビリテーションでは、再発防止のための指導も徹底しています。
腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方は、ぜひ山田整形外科にご相談ください。保存療法を通じて、患者様の生活の質向上を目指します。