子供の肘の痛みについて
子供が肘の痛みを訴える場合、その原因は成長段階特有のものからケガまでさまざまです。肘の痛みを正しく理解し、適切に対処することが重要です。以下では、子供の肘痛の主な原因とその対処法について詳しく説明します。
子供の肘痛の主な原因
1.肘内障(ちゅうないしょう)
•原因:1~5歳の子供に多く見られ、腕を強く引っ張ったり、大人が遊びで腕を振り回したときに発生します。橈骨頭(とうこつとう)が輪状靭帯から部分的に外れることで起こります。
•症状:肘を動かさない、だらんと腕を下げたままになる、痛みを訴える。
•治療:整形外科での簡単な整復操作で治ります。整復後は痛みがなくなり、すぐに腕を動かせるようになります。
2.スポーツによる負担(リトルリーグエルボー)
•原因:野球やテニスなどの繰り返し動作によって、肘の成長軟骨に負担がかかることで起こります。投球動作での肘への負荷が典型的な原因です。
•症状:肘の内側に痛みが現れ、動かすと痛みが増します。重症の場合、関節の可動域が制限されることもあります。
•治療:安静が最も重要です。症状が改善しない場合は、リハビリや物理療法を行います。適切なフォーム指導や投球制限も必要です。
3.転倒や外傷
•原因:遊びや運動中に転んで肘を打ったり、骨折や脱臼が生じることがあります。特に成長期の子供は骨が柔らかく、骨端部に損傷を受けやすいです。
•症状:腫れ、痛み、肘の変形、動かすことができない。
•治療:骨折や脱臼の場合、整形外科での固定や整復が必要です。軽い打撲の場合は冷却や安静で回復します。
4.成長痛
•原因:成長期の骨や筋肉に負担がかかることで発生します。特に急速な成長を遂げる時期に多く見られます。
•症状:運動後や夜間に肘がだるくなる、痛みを訴える。
•治療:特別な治療は必要なく、安静と適度な運動で改善します。痛みがひどい場合は鎮痛剤を使用することもあります。
5.感染症(化膿性関節炎など)
子供の肘痛の治療と対応
1. 安静とアイシング
肘痛の多くは安静にすることで改善します。特に外傷や炎症が疑われる場合は、最初に冷却して腫れや痛みを抑えることが重要です。
2. 医療機関の受診
以下の場合は速やかに整形外科を受診してください:
•肘の変形が見られる場合
•腫れや強い痛みが続く場合
•肘を動かせない、しびれがある場合
3. 投薬治療
痛みや炎症を抑えるため、必要に応じて非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。
4. リハビリテーション
スポーツ障害や成長痛の場合、理学療法士による運動療法が役立ちます。筋力バランスを整える運動やストレッチが予防にもつながります。
5. 再発予防
•子供の成長に合わせた適切な運動量を心がける。
•スポーツ時には、フォームの改善や適切な用具の使用を指導する。
•日常生活では、子供の腕を引っ張る動作を避ける。
当院での治療方針
子供の肘痛に対する迅速かつ適切な診断と治療を提供しています。スポーツ障害や外傷、肘内障など、さまざまな原因に対応し、痛みの原因を的確に特定します。治療だけでなく、再発防止のための生活指導やリハビリプログラムも充実しています。
お子さまが肘の痛みを訴えた場合は、ぜひ山田整形外科にご相談ください。経験豊富な医師とスタッフが、お子さまの健康を全力でサポートします。