テニス肘の治療
テニス肘(外側上顆炎)は、肘の外側部分に炎症が起き、痛みを引き起こす疾患です。テニスなど、繰り返し手や腕を使うスポーツや作業によって発生します。日常生活に支障を来すこともあり、適切な治療が重要です。
テニス肘の原因
テニス肘の主な原因は、前腕の筋肉とそれに付随する腱が過剰に使用され、肘の外側部分に繰り返し負担がかかることです。具体的には:
1.スポーツ:特にテニスやゴルフなど、ラケットやクラブを握る動作が多いスポーツ。
2.職業的要因:繰り返し手や腕を使う作業(ペンキ塗り、タイピング、大工仕事など)。
3.日常生活:重い荷物を持つ、手首を繰り返し使う作業。
これらの動作が原因で腱に微小な断裂が生じ、炎症や痛みを引き起こします。
テニス肘の治療法
テニス肘の治療は、保存療法が主流です。重症の場合は手術療法が選択されることもあります。
1. 保存療法
テニス肘の治療は基本的に保存療法から開始します。
•安静と負担軽減
手首や肘を過剰に使う動作を避け、患部を休ませることで炎症を抑えます。
•装具療法
テニス肘専用のサポーターやエルボーバンドを装着することで、肘への負担を軽減します。これにより、腱が安定し、炎症の悪化を防ぎます。
•アイシングと温熱療法
急性期にはアイシングで炎症を抑え、慢性期には温熱療法を用いて血流を促進し、治癒を促します。
•薬物療法
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤(NSAIDs)を服用したり、局所に塗布することで症状を緩和します。
•リハビリテーション
肘周辺の筋力や柔軟性を高めるためのストレッチや筋力トレーニングを行います。正しい運動指導を受けることで、再発防止が期待されます。
2. 注射療法
保存療法で効果が得られない場合、注射療法が選択されることがあります。
•ステロイド注射
炎症を強力に抑える効果があります。ただし、長期間の使用は腱を弱くする可能性があるため、慎重に行われます
3. 手術療法
保存療法や注射療法で改善が見られない場合は、稀に手術が検討される場合もあります。
テニス肘の予防
1.負担を軽減する
作業やスポーツ時に適切なフォームを心掛け、道具を使う際にはグリップを調整するなどの工夫が必要です。
2.筋力と柔軟性の向上
前腕の筋肉を鍛えるとともに、ストレッチで柔軟性を高めることで、腱への負担を減らせます。
3.休息の確保
手首や肘を酷使しすぎないよう、適度な休息を取り入れることが重要です。
4.適切なサポートの活用
エルボーバンドやサポーターを使用して、肘の負担を軽減します。
当院での治療アプローチ
テニス肘の診断から治療まで、患者さま一人ひとりに合った治療プランを提供します。最新の画像診断技術を用いて状態を正確に把握し、保存療法を中心に、必要に応じて注射療法や手術療法を提案します。また、リハビリスタッフと連携し、再発を防ぐための運動指導や生活改善のアドバイスも行っています。
テニス肘による痛みや違和感がある場合は、早めに当院にご相談ください。専門の医師とスタッフが、迅速かつ丁寧に対応します。