膝半月板損傷の治療、リハビリ|山田整形外科医院|埼玉県ふじみ野市の整形外科

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膝半月板損傷の治療、リハビリ

膝半月板損傷の治療とリハビリについて解説します。膝半月板は、膝関節のクッションの役割を果たす軟骨組織で、膝を安定させ、衝撃を吸収します。この半月板が損傷すると、痛みや腫れ、可動域の制限が生じることがあります。

膝半月板損傷の原因と症状

原因

•スポーツによる損傷:急な方向転換や膝の捻り動作が原因になることが多い(例:サッカー、バスケットボール)。

•加齢や変性:加齢に伴う軟骨の摩耗で、軽い動作でも損傷することがあります。

•外傷:転倒や事故による膝への強い衝撃。

症状

•膝の痛み:特に曲げ伸ばしの際に痛む。

•関節のロック現象:膝が完全に伸びなくなる。

•腫れや炎症:損傷部位の腫れが見られる。

•可動域の制限:膝をスムーズに動かせなくなる。

•クリック音:膝を動かしたときに音がする場合も。

膝半月板損傷の治療法

治療方法は損傷の程度、患者の年齢、活動レベルによって異なります。

1. 保存療法

軽度の損傷や高齢者の場合、保存療法が一般的です。

•安静(RICE療法)

•Rest(安静):負荷を避ける。

•Ice(冷却):腫れや痛みを軽減。

•Compression(圧迫):包帯などで固定し、腫れを抑える。

•Elevation(挙上):脚を高く上げて血流を促進。

•薬物療法

•消炎鎮痛剤(NSAIDs)で炎症と痛みを抑える。

•装具の使用

•膝のサポーターやブレースを使用して関節を安定化。

•理学療法

•可動域と筋力を回復させるために、段階的な運動を開始します。

2. 手術療法

保存療法で改善が見られない場合や損傷が重度の場合、手術が検討されます。

•半月板縫合術

•半月板を縫い合わせて修復する手術。若い患者や血流のある部分の損傷に適用されます。

•半月板切除術

•損傷部分を部分的または完全に切除する手術。血流の少ない部分の損傷に適用されます。

リハビリの流れ

リハビリは、膝の安定性を取り戻し、再発を防ぐために非常に重要です。

1. 初期段階(手術直後や損傷後すぐ)

•安静とアイシング

•炎症を抑え、組織の回復を促進。

•軽い運動

•足首の動きや太ももの軽い筋肉収縮運動を行い、血流を促進。

•装具使用

•サポーターで膝を保護し、動きを制限。

2. 可動域回復期

•関節の柔軟性を高める運動

•ベッドに座って膝をゆっくりと曲げ伸ばしする。

•膝周囲筋の強化

•太ももの前部(大腿四頭筋)や後部(ハムストリングス)の筋力トレーニング。

•チューブを使った軽い抵抗運動。

3. 筋力強化期

•負荷を徐々に増やす

•片脚立ちやスクワットを行い、膝周囲の筋肉を鍛える。

•バランス訓練

•平衡感覚を向上させるトレーニング。

•有酸素運動

•膝への負担が少ない運動(例:水中ウォーキング、エアロバイク)。

4. スポーツ復帰期

•競技特有の動き

•スポーツ選手の場合、競技動作を再現しながら負荷を調整。

•ジャンプや方向転換の練習

•急な動きにも対応できるよう訓練を行う。

再発予防のポイント

•適切なウォーミングアップ:運動前にしっかりと膝を温める。

•体重管理:肥満は膝に過剰な負担をかけるため、適正体重を維持する。

•筋力の維持:特に大腿部の筋力を定期的にトレーニングする。

•無理のない運動:過度な膝の捻りや衝撃を避ける。

治療期間の目安

•保存療法:数週間から数ヶ月で改善が期待されます。

•手術後:完全な復帰には約3〜6ヶ月かかることがありますが、運動レベルによってさらに長くなる場合もあります。

まとめ

膝半月板損傷は、治療とリハビリを適切に行うことで、多くの場合、膝の機能を回復させることが可能です。損傷の程度に応じて保存療法または手術を選択し、段階的なリハビリを通じて回復を目指しましょう。特に再発予防には、筋力の維持と日常生活での膝の保護が重要です。専門医や理学療法士と連携しながら取り組むことをお勧めします。