運動後の脛の痛み-シンスプリント|山田整形外科医院|埼玉県ふじみ野市の整形外科

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運動後の脛の痛み-シンスプリント

シンスプリント(Shin Splints)は、すねの内側部分に痛みが生じる障害で、正式には「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれます。ランニングやジャンプを伴う運動をする人に多く、特に運動を始めたばかりの人や運動量を急激に増やした人に発症しやすいです。痛みがひどくなると運動を続けられなくなるため、早期の対処と適切なリハビリテーションが重要です。本稿では、シンスプリントのリハビリ方法について詳しく解説します。

1. シンスプリントの原因と症状

(1) 原因

シンスプリントは、過度な負荷が脛骨(すねの骨)や周囲の筋肉、骨膜に繰り返し加わることで発生します。主な原因は以下の通りです:

•運動量の急増:運動習慣がない状態で急に激しい運動を始める。

•硬い地面での運動:アスファルトやコンクリートの上でのランニング。

•不適切なシューズ:クッション性のないシューズや摩耗した靴の使用。

•筋力や柔軟性の不足:特にふくらはぎや足首周りの筋力低下や硬さ。

•偏平足や過剰回内:足のアライメントが悪いと、すねに余計な負担がかかる。

(2) 症状

•すねの内側に鈍い痛みや圧痛を感じる。

•運動中や運動後に痛みが悪化する。

•重症化すると安静時にも痛みを感じる。

2. リハビリの目的と段階

リハビリの目的は、痛みを軽減し、再発を防ぎながら運動復帰を目指すことです。リハビリは以下の段階で進めます:

(1) 急性期(発症直後)

•目的:炎症を抑え、痛みを軽減する。

•対応:

•安静:痛みが引くまで運動を中止する。

•アイシング:1日2~3回、1回15~20分程度、患部を冷やす。

•圧迫と挙上:弾性包帯を巻き、脚を心臓より高く挙げることで腫れを抑える。

•注意:痛みがある状態で運動を続けると症状が悪化するため、無理をしないこと。

(2) 回復期

•目的:筋力と柔軟性を改善し、負担を減らす。

•リハビリ内容:

1.ストレッチ:

•ふくらはぎのストレッチ:壁に手をつき、片脚を後ろに伸ばしてアキレス腱を伸ばす。

•足底筋のストレッチ:足の裏をゴルフボールやテニスボールで転がす。

2.筋力強化:

•チューブを使った足首運動:セラバンドを使い、足首を前後左右に動かす。

•カーフレイズ:かかとを持ち上げ、ふくらはぎを強化する。

3.バランストレーニング:

•片足立ちやバランスボードを使用して、足首周りの安定性を高める。

(3) 復帰期

•目的:運動を再開し、再発を防ぐ。

•リハビリ内容:

1.軽い運動から再開:

•ウォーキングやプールでの運動から始め、徐々に負荷を増やす。

2.フォームの改善:

•ランニングフォームを確認し、足への負担を軽減。

•足の接地時間を短くし、着地衝撃を減らす。

3.シューズの見直し:

•クッション性が高く、足の形に合ったランニングシューズを選ぶ。

4.地面の選択:

•土や芝生のように柔らかい地面での運動を優先する。

3. 日常生活での注意点

リハビリを進める中で、以下の点にも注意が必要です:

•休息を十分にとる:運動の合間に休息日を設け、回復を促進。

•体重管理:過体重は足やすねに負担をかけるため、適正体重を維持する。

•栄養摂取:カルシウムやビタミンDを十分に摂取し、骨の健康を保つ。

4. シンスプリントの予防策

再発防止のために、以下の予防策を取り入れましょう:

•運動量を徐々に増やす。

•ランニングやジャンプの前にウォームアップをしっかり行う。

•足首やふくらはぎの柔軟性と筋力を日常的に高める。

•定期的にシューズを見直し、摩耗した場合は早めに買い替える。

5. 専門的な治療が必要な場合

痛みが長期間続く場合や改善が見られない場合は、以下のような治療が検討されます:

•理学療法:専門家によるマッサージや物理療法(超音波治療など)。

•装具の使用:偏平足や過剰回内の場合、足底板(インソール)が有効。

•医療機関での診断:疲労骨折の可能性がある場合、MRIやCT検査が必要。

6. まとめ

    1. シンスプリントは適切なリハビリと対処によって改善が期待できる障害です。痛みを我慢して運動を続けるのではなく、症状に応じた安静とリハビリを行い、少しずつ復帰を目指しましょう。また、予防策を取り入れることで、再発を防ぎながら安全に運動を楽しむことができます。