肩腱板損傷のリハビリ治療|山田整形外科医院|埼玉県ふじみ野市の整形外科

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肩腱板損傷のリハビリ治療

肩腱板損傷のリハビリ治療

肩腱板損傷は、肩の安定性や動きを支える腱板(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)が部分的または完全に断裂する状態です。肩の痛みや可動域の制限、筋力低下を引き起こし、日常生活に支障をきたします。リハビリ治療は、痛みを緩和し、肩の機能を回復するために重要です。以下に、肩腱板損傷のリハビリ治療について詳しく説明します。

1. リハビリ治療の目的

•痛みの緩和

•炎症の軽減

•肩の可動域(ROM)の回復

•筋力の強化とバランスの改善

•肩関節の安定性向上

2. リハビリのステージと具体的アプローチ

① 急性期(損傷直後)

この段階では、炎症を抑え、痛みを軽減することが最優先です。

•安静: 患部を過度に動かさないようにする。必要に応じてスリングを使用。

•アイシング: 1回20分程度、1日に数回冷却を行い、炎症や腫れを抑えます。

•軽いパッシブ運動: セラピストによる受動的な肩の動きを通じて、関節の硬直を防ぎます。過度な動きは避け、痛みを伴わない範囲で行います。

② 回復期(炎症が治まった段階)

痛みが軽減したら、可動域と筋力を回復させるためのリハビリを始めます。

•可動域改善運動

•振り子運動: 前屈した状態で腕を自然に揺らし、肩関節を緩やかに動かします。

•棒を使った運動: 健側の腕で棒を操作し、患側の肩を動かす運動を行います。

•ストレッチ運動

肩甲骨周囲の筋肉を柔軟に保つため、軽いストレッチを実施します。肩甲骨を前後や上下に動かす練習も効果的です。

③ 強化期(筋力回復と安定性向上)

肩の機能を完全に回復させるために、筋力強化と安定性の向上を目指します。

•抵抗運動

•セラバンドや軽いダンベルを用いて、肩甲骨周囲や腱板の筋力を強化します。

•外旋運動(ゴムチューブを使い、肘を固定して腕を外側に回す)や内旋運動を中心に行います。

•プッシュアップ運動(変形版)

壁に手をついて行う軽い腕立て伏せは、肩関節の安定性を高めるのに有効です。

•体幹の安定性トレーニング

肩の動きは体幹と連動しているため、体幹を鍛える運動も取り入れます。

④ 日常生活復帰期

最終段階では、日常生活やスポーツ活動への復帰を目指します。

•動作練習

日常の動作(物を持ち上げる、手を上げるなど)をシミュレーションし、適切な姿勢と力の使い方を学びます。

•スポーツ特化型リハビリ

投球動作やラケットを振る動作など、特定の活動に向けたトレーニングを行います。

3. 物理療法の活用

•温熱療法: 血流を促進し、筋肉の緊張を緩和します。リハビリ運動の前に行うと効果的です。

•電気刺激療法(TENS): 痛みの緩和や筋肉の活性化を目的に使用します。

4. 注意点

•無理をしない: 過度な運動や強い痛みを伴う動作は、損傷を悪化させる可能性があります。

•継続的な取り組み: リハビリの効果は即時的ではないため、段階的に進めることが重要です。

•専門家の指導: 理学療法士や医師と連携し、適切なプログラムを組むことが必要です。

まとめ

肩腱板損傷のリハビリ治療は、痛みの管理、可動域の回復、筋力強化を段階的に進めることが基本です。運動療法や物理療法を適切に組み合わせ、専門家の指導のもとで継続することで、肩の機能を取り戻し、日常生活やスポーツ活動への復帰を目指します。無理のない範囲で取り組み、長期的な視点で治療を続けることが重要です。