骨粗鬆症の治療
― PTH製剤の特徴と自己注射 ―
骨粗鬆症の治療にはさまざまな方法がありますが、その中でも「PTH製剤」は、骨を作る力を高める特徴をもった治療薬です。PTHとは、副甲状腺ホルモンという体内にもともと存在するホルモンで、骨の代謝に深く関わっています。骨粗鬆症治療では、この働きを利用して、弱くなった骨を内側から強くすることを目的としています。
多くの骨粗鬆症治療薬は「骨が壊れるのを抑える」作用が中心ですが、PTH製剤は「新しく骨を作る」作用がある点が大きな特徴です。そのため、骨折を起こしやすい方や、すでに骨折を経験した方など、骨折リスクが高い場合に選ばれることがあります。骨の質を改善する効果も期待でき、将来の骨折予防につながります。
PTH製剤は、毎日または週に数回、自宅で行う自己注射として使用されます。注射と聞くと不安を感じる方も多いですが、ペン型の専用器具を使い、太ももやお腹に打つ方法が一般的です。針は細く、痛みは軽いことがほとんどで、操作も簡単なため、高齢の方でも続けやすい治療です。
この治療で大切なのは、決められた期間と方法を守ることです。PTH製剤は使用期間が限られており、途中でやめてしまうと十分な効果が得られません。家族が注射の時間を一緒に確認したり、体調や注射後の様子を見守ったりすることで、安心して治療を続けることができます。
PTH製剤による自己注射は、骨折を防ぎ、将来の生活を守るための重要な治療です