肉離れとは
肉離れとは? 予防とリハビリ治療のポイント
肉離れとは、筋肉が急激に収縮した際に、筋繊維の一部または全部が断裂してしまうケガのことを指します。スポーツ中のダッシュやジャンプ、急な方向転換などで多く見られ、太ももやふくらはぎに発生しやすいのが特徴です。
肉離れの主な症状
肉離れが起こると、次のような症状が現れます:
急激な鋭い痛み(筋肉が「ブチッ」と切れるような感覚)
痛みのある部位に腫れや内出血
歩行や動作時の強い痛みや違和感
重度の場合、へこみやしこりを触れることも
症状の程度により、軽度(筋繊維の微細な損傷)、中度(部分断裂)、重度(完全断裂)に分けられます。
肉離れの予防法
肉離れは正しい予防を心がけることで発生リスクを大幅に減らすことができます。以下の点を意識しましょう:
1. 十分なストレッチとウォーミングアップ
運動前には、関節や筋肉をしっかり温め、柔軟性を高めることが大切です。特に太もも裏(ハムストリング)やふくらはぎのストレッチは重点的に行いましょう。
2. クールダウンも忘れずに
運動後には軽いストレッチをして筋肉をリラックスさせ、疲労物質の除去を促進します。
3. 筋力バランスの強化
一部の筋肉に負担が集中しないよう、全身の筋力バランスを整えることが予防につながります。特に体幹トレーニングは、下半身の負担軽減に有効です。
4. 疲労の蓄積を避ける
疲労がたまった状態で運動すると、筋肉の柔軟性や反応速度が低下し、ケガのリスクが高まります。十分な休養と栄養補給を心がけましょう。
リハビリと治療の流れ
肉離れの治療では、**「急性期」「回復期」「復帰期」**の3段階に分けたアプローチが重要です。
● 急性期(発症~3日程度)
この時期はRICE処置が基本です:
Rest(安静)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
腫れや痛みを抑えることで、治癒の進行を助けます。
● 回復期(4日~2週間程度)
腫れや痛みが落ち着いたら、軽いストレッチや関節可動域訓練を始めます。痛みを伴わない範囲で、徐々に筋肉を動かし、柔軟性を回復させます。
● 復帰期(2~6週間以降)
筋力トレーニングやバランス訓練を取り入れ、日常動作やスポーツに耐えられる状態へと戻していきます。再発防止のため、無理な運動再開は避けることが大切です。
**肉離れは適切な予防とリハビリで再発を防ぐことができます。**症状が軽いと思っても、自己判断で放置せず、早期に医師の診断を受けることが大切です。スポーツや日常生活への早期復帰を目指すためにも、段階的で無理のない回復を心がけましょう。